制度
基本的なことは国全体同じなのだが、いろいろと州によって異なるものもある。
これは日本では県によって違うようなもの。
日常生活で困ることはあんまりないが、けた違いの広さの所為か、県境1本越しだだけで変えるのはやめて欲しい。
こっちでは払わなくていい税金をあっちでは払わなくちゃいけなかったり、こっちでは英語だったのにあっちではフランス語だったりと、なかなかに島国ニッポンから来た私としては、戸惑うことが多い。
源泉徴収 カナダでもやはりしなくてはいけないが、日本と違うのは、全員、自己申告制だということ。
自営業でなく、会社員であっても、自分でしなくてはいけない。
郵便局などにおいてあるフォームに、全部自分で書き込み、綴じ込みの住所がすでに印刷されている封筒で郵送。
最近は、数字を入れ込むだけのCD-ROMも販売されているが、なぜか毎年フォームが変わるらしく、そのソフトは1度しか使えないので、勿体無い気もする。
それでも、時間のない人や、面倒くさがりの人は購入しているようだが。
もちろん、代行社もあるので、必要書類を揃えて頼むことも出来るが、けっこう手数料は高いはず。
申告期間は、2月から4月。
税金 カナダには、いわゆる国の消費税(GST)と、州の物品税(PST)という2種類もの税制度がある。
そのうち、GSTというものはどの州に行っても払わなくてはいけないが、PSTというものは、とっていない州もある。
現在、BC州では、GST6%、PST7%、合計14%の税金がかかるが、その分、老後の保障がかなりしっかりしているらしいので、良しとする。
そして、ありがたいことに、食べ物や本、ベビー用品などにはPSTはかからない。
要するに、食べるだけなら、税金は払わなくてもよいということである。
年に一度支払う財産税については、こちら(現在作成中)。
電話料金 市内通話ならば、時間による料金増加は、ない。
家庭の電話料金は、市内通話だけならば、30ドル弱の月々の基本料金だけで、オプションとしてプラス国際料金やインターネット代がある。
そして、公衆電話からならば、25¢で喋りたい放題。
1日中だろうと、1週間だろうと、1年だろうと(本当か?)、切らなければ25¢のまま。
そして、市内と言っても、局番が同じ区域ということなので、バンクーバー市から50km離れた私のいる市でも、同一料金なのである。
その所為か、長電話する人が多い。
だが、インターネットが普及した今、これはとてもありがたいことなのだ。
なぜなら、ダイヤル回線を使用しているならば、インターネット料金とは別にかかる電話料金が、切ったりしなければほとんど只同然。
日本では、テレホーダイなどとわざわざ低額時間帯を設けているが、そんなものは、まったく必要ないのだから。
表示 国の公用語が英語とフランス語であるから、当然、商品などの説明も、ほとんどが2ヶ国語で書かれている。
私としては、紙面の無駄遣いなんじゃないかと思うんだが。
なぜなら、2ヶ国語表示ということは、1枚で済む説明が2枚必要になるということに他ならない。
フランス語圏から遠く離れたBC州に住んでいる人で、フランス語しか読み書きできない人が、一体どれくらいいるのだろうか?
BC州に限っては、フランス語表示はいらん、と思うのは私だけかなあ。
薬局 カナダの薬局は、コンビニの中にある。
というか、お店の名前は、ドラッグとついているので、薬局の中にコンビニがあるというか。
薬局の面積は小さく隅のほうにあり(それでもひととおりなんでも揃っているし、薬剤師さんもいるのだが)、その他の場所にはスナック類などの食料品、シャンプー等の日用品、雑誌、文具、ベビー用品はもちろん、店によっては掃除機、アイロン、電子レンジなどの家電、テレビ、カメラ、ビデオ、オーディオ、CD、パソコンや、はては洗濯機まで置いて売っている。
それでも、薬局という名をつける、その感覚は素晴らしい、と思う。
郵便箱 もちろん、都会や、家の多い地域などは、日本と同じように1軒ずつに集配されるのだが、私のいるところは、所謂田舎で、10数軒ずつの家がかたまって建っており、そのかたまりから隣のかたまりまでが、けっこう遠い。
そういうところでは、郵便屋さんの時間短縮のためか、1軒1軒に郵便物を届けてはくれず、そのかたまりごとに、小さな私書箱のようなものを設置し、そこに入れていくのである。
ちなみに、うちの場合は、その私書箱は家3軒分くらい離れたところにあるので、お天気の悪い日は、郵便箱を覗きに行くのが億劫だったり…。
リサイクル かなり盛ん。
というよりも、当り前の事として行われている。
新聞、ダンボール、空き缶やペットボトルは当然のこと、衣料品や雑貨まで。
ペットボトルなどは、店でリサイクル料(4¢くらい)とデポジット(10〜20¢)を取るが、ボトルをその店に返しに行けばデポジット分は現金で返してくれる。
新聞等は、ゴミの日に専用の収集車が引き取っていってくれるし、衣料品や雑貨は、中古品店に持っていけば、引き取ってくれる。
かなり大きな中古品専門のチェーン店あり、盗難品じゃないか?というものを売っているポンショップあり。
けっこういいものが安く買えるので、中古でも気にしないものなどは、そういうところも見て回ったほうがお得。
その延長(?)で、ガレージセール(ヤードセール)やフリーマーケットも有名。
運が良ければかなりの掘り出し物にめぐり合えることがある。



運転
州によって違う運転免許証だが、これ1枚持っていればカナダ国内はおろかアメリカ合衆国内でも運転できちゃう優れもの(?)。
ただし、州によってルールは違うことがあるので、州境・国境を超えるときは要注意。
HOVレーン ハイウェイ(高速道路)や都市部内の大きな道路を走っていると、たまにあるサイン。
これは、High Occupancy Vehicleといって、1台につき2人以上乗っている車が優先的に通れる車線。
ここには、バイク、バスなども含まれる。
車の台数を減らすとともに、ガソリン代等をも節約しようという試みらしい。
右折 カナダ国内は、アメリカに準じ、右側走行、左ハンドルである。
それはいいのだが、BC州では、右折(日本でいう左折)する時、信号が赤でも、安全であればそのまま曲がって行ってもよい。
大通りなど、それ専用の通路も設けてあるくらいである。
ただし、他の州ではいけないらしいので、気をつけよう。
白線 レーンを区分したり、車道と歩道を分離したりする、白(または黄)線。
実はこれが、ものすごく見づらい。
塗料の中に反射材が入っておらず、ハイウェイや大通りには、数メートルおきに小さな反射板があるものの、雨天時の夜間は、全く見えないといっても過言ではない。
仕方がないので、前にいる車のテールランプを頼りに走るわけだが、危険なことには変わりはなく。
ただでさえ、秋から春までは雨季となるバンクーバーでは、もうちょっと改良してもらいたいものである。
踏み切り 日本のように市電などはなく、ほとんどの線路は貨物列車用である。
故に本数も少なく、踏切を渡るとき、いちいち一時停止をしない。
警報機が鳴るのも遮断機(ない場合も少なくない)が下りるのも、列車が数十メートルまで近付いてからである。
なので、警報機が鳴ったらすぐさま線路から退くこと。
日本のように、警報機が鳴り始めてから列車が来るまでの、時間的余裕はない。



建築物
日本にも増えてきているカナダの家。
日本の家とは、やはり体型の差からなのか、基本的なサイズが違うし、間取りも違う。
そんな違いを、良いところも悪いところもひっくるめて紹介。
キッチン 普通、旅行などではまず、台所というものを見ることはないと思うので、取り上げてみる。
まず、高い。その一言に尽きる。
シンクやカウンター、ガス台の高さは、床から90cm。
日本人としても大柄な方ではない私にとって、これは肩こり・腰痛を悪化させる以外の何物でもない。
お時間があれば、ご家庭のシンクの高さを測ってみていただきたい。
まあ、最近は背の高い方も増えているので、以前よりは高めに作られているかもしれないが、たとえば築20年くらいのお家に住んでいる方などは、その差をおわかりいただけるのではないだろうか。
この高さだと、たとえば、料理をする時、包丁で切るのに腕だけでなく肩から上げなければいけない。
また、洗いものをするとき、私は右利きなので左手でお皿等を持つわけだが、自分のウエストよりもちょっと上くらいの高さに腕を保たなければいけない。
短時間ならばいいが、毎朝毎晩、365日これを続けてみると、かなり、肩、腕、腰に負担がかかってしまうのである。
さらに、食器棚など、壁に取り付けられたものが多いのだが、これがまた、やたらと高いところにある。
踏み台にでも乗らない限り、一番上の棚のものは、届かない。
平均身長の大きい国に来た小さい自分が悪い、と言われれば、頷かざるをえないのだけれども…。
バスルーム もちろん洋風。
1室に洗面台とトイレとバスタブ(シャワー室の場合もあり)がある。
しかも、たいてい窓がない。
あまり湿度の高くない国なのでいいのかもしれないが、自然採光が出来ないのでさびしい気も。
バスタブは広く浅く、また側面の傾斜がかなりきついので、映画等のようにゆっくりつかるということは無理に等しい、と思う。
また、洗面台などもかなり高さがあるので、ホテル等に泊まる機会があればちょっと気にしてみるといいかもしれない。
間取り 屋内の間取りは、日本家屋に比べるとかなりオープン。
天井も高く、ドアもかなり高い(=ドアノブの位置も高い…)。
また、キッチン、ダイニングルーム、リビングルームはほとんど仕切られていない(ドアがない)場合がほとんどで、寝室等のドアがあるところでも敷居などはない、いわゆる『バリアフリー』である。
また、寒い国だからなのか、リビングに暖炉(天然、ガス問わず)が作りつけられている家が多いのも特徴か。



食べ物
一口に洋食とは言い切れない、移民の国カナダ。
大きなスーパーであれば、アジアや他の地域の食材専用の棚もある。
が、やはり味覚や食べ方、大きさなど、『ちょっと違うぞ』というのは多々あるので、思いつくままに列挙。
セロリとピーナッツバター 加の国のセロリは、日本のよりも、ほんの少し、味が弱い。
ので、セロリが嫌いだった私でも、料理の中にまざっていれば食べられるのだが。
さすがに『はい?』と思ったのが、セロリにピーナッツバターをつけること。
それも、1本なりのセロリのくぼみに、軽量スプーンよろしくすりきりまできっちりとぬりこむのだ。
一体誰がそんな食べ方をし始めたんだろう?
ポテトと酢 ファーストフード大国アメリカのお隣に位置するカナダにも、やっぱりそういったお店はたくさんあるわけで、マクドナルド、バーガーキング、KFCなど、それこそどこに行っても、お目にかかることができる。
だが、世界広しと言えど、フレンチフライ(フライドポテト)にお酢をつけて食べるのは、カナダ(それも西海岸地域)のみであろう。
食べ方としては簡単で、お酢だけではなく、ケチャップとお酢をほぼ同量、それにコショウをまぜるのだけれど。
初めて友人に教えてもらった時には、さすがにビックリしたけれど、食べてみればさっぱりしてて、けっこうイケる。
そして、ちゃんと、塩、コショウ、ケチャップなどの小袋(無料でもらえる調味料)の中に、お酢も用意されているし、レストランなどでは、瓶でテーブルにおいてあるのだ。
また、ポテトチップスにもいろんな味が売られているが、普通の塩味、ケチャップ味、BBQ味、サワークリーム&オニオン、デリピクルス味なんてものもある。
そして、カナダだけという味が、ソルト&ビネガー。
要するに、塩と酢である。
これはメーカーによって当たり外れはあるが、さすがに、マシなものでも、あんまりたくさんは食べられない…と思う。
興味のある方は、一度カナダへ来てお試しあれ。
カナダらしいということで、割れることを気にしなければ、お土産にもいいかも。
メープルシロップ 加の国のお土産としても有名なこのシロップ、現地でも食されている。
パンケーキ(ホットケーキ)などにかけたりするのは、どなたでも思いつかれると思うが、カナディアンはさらに変わった食べ方をする。
それは、スクランブル・エッグにかける!
聞いたかぎりでは『気色悪〜』と思われるだろうが、ところがそうではない。
こちらで一般的な朝食というのは、大抵大きなお皿1枚に、パンケーキ、ベーコン、スクランブル・エッグなど、全てがのせられることが多い。
そして、パンケーキにかけたシロップが流れ、その他のものにもついてしまった、というのが最初だそうで。
ちなみにうちは、スクランブル・エッグにはミルクを少し入れるので、食べてみたらプリンのような味になった。
まあ、朝食のおかずとしてはどうかと思うが、味そのものは悪くない、んじゃないかな…。
ワイン BC州だけでなく、カナダにはたくさんワイナリーがある。
ナイアガラ付近のものが有名のような気もするが、BC州にも数多くあり、その中でもスマック・リッジというワイナリーが私としてはおすすめ。
その中でも、スパークリングワインのステラー・ブルー・ジェイというのが、ちょっと高いがお気に入り。
1本23ドルくらいで、普段使いには勿体無いもするのだけれど、おいしいのだ。
本当に。
個包装品 とにかくでかい。
食パンは450gとか570gというのが普通サイズ。
牛乳やアイスクリームなどは、4リットルなんてものも普通。
スナック類の袋など、170gというのが標準らしいし、450g、700gなんてものもある。
クッキーなどに至っては、700gや1kg以上のパッケージなんてものもあったりする。
マーガリンなども、キロ単位のものが平然と並んでいたりする。
さらに、お肉なども、1kg、2kgなんてのが普通にパックされている。
まあ、大量に買ったほうが、単価は安くなるし、小分けにして冷凍したりもできるからいいんだけどさ…。
野菜 これまたでっかい。
キュウリやナスなどは、ヘチマと見まごうほどでかい。
サツマイモなども、巨大である。
サトイモなんぞ、ハンドボールくらいはあるんじゃないか?
にんじんも、これでもかというほど長い。
その代わり、小さいのもあるわけで、ネギは、ワケギのようなものが主流。
たまーにしか見かけない大根は、貧弱なほど細い。
ちなみに、葉っぱ類などの束になっているものは、その人束が一握りではきかないほどの量が輪ゴムで縛ってある。
はっきり言って、全部食べる前に、冷蔵庫の中でしなしなになってしまう…。



英語
同じ英語圏でも、イギリスとアメリカとカナダでは微妙に発音や言い回しが違う。
もちろん、オセアニア諸国で使われている英語も違うし、アジア圏での英語もまた別物。
耳に慣れてくると違いも分かるようになってくる、はず、何だけどなぁ…。
言い回し 学校で習わないような(もしくは私が習ったはずなのに覚えていないもの)、でも日常耳にすることがあるもの。
ちょっとした会話で使うと、『おお、この人はデキル!』と感動される…ことはないと思うけど。

★After You
直訳すれば(私は)あなたの後で、ということを意訳し、お先にどうぞ、という意味になる。
レディファーストが有名と言われるだけあり、こういう言葉もよく聞く。
聞かなくても、態度で示されたり。
女性だけでなく、お年寄りや身障者の方、または妊婦さんや赤ちゃんを連れたお母さんに対しては、もう無条件に親切。
女の人が男の人にするのもあたりまえ。
こういうことが、日本でも、当り前に出来るようになるといいのだけれど。

★Catch-22
にっちもさっちもいかなくなったような、どう転んでもよろしくない状態。
出典は小説らしい。
あれをやってもダメ、これをどうしてもダメ、んもー困った!ってな時に使ってみるといい。

★Food for thought
考えてみてもいいね、とか、頭の隅にメモっとく、くらいの事柄。
何かを提案されたりしたときに、軽い意味で『考えとくよ』という意味になる。

★相づち
会話の途中、んふ、あは、と返す(ひらがなで表記するとヘンだなぁ)のも簡単だが、たまにはちょっと単語を使ってみるのもよろし。
☆Is that right? - 文末は、疑問文調に上げてもいいし、肯定文調に下げてもよい。話題がitに置き換えられるときに使う。
☆Do you, really? - 疑問文型だが、語尾を上げずに肯定文長で言う。話題が話している本人(の行動や動作、doに置き換えられる)のときに使う。動詞がisやareのときは、Are you, really?やIs he, really?などになる。
表記 カナダ英語の表記は、基本的にイギリス英語に準じる。
色はcolorではなくcolour、centerはcentre等。
なので、辞書を使うときなどは『米』表記でなく『英』表記を参照しなければいけない。



暮らしの中の常識・非常識
日本ではあたりまえのことなのに、カナダですると白い目でみられたり笑われたり。
その反対ももちろんあるわけで、『郷に入っては郷に従え』の諺が正しいことを証明。
ファッショナブリー・レイト
(fashionably late)
言うなれば『かっこいい遅刻』。
学校や会社、個人的な約束などでの、遅刻はカナダでもよろしくない。
が、大勢が集まるクリスマスなどのパーティでは、時間よりも前に到着すると、まだ準備が整っていなかったりして失礼にあたる。
また、『わくわくして早く来ちゃったのね』と子ども扱いされるときもあるので、10〜15分遅れて優雅に到着するのが理想。
もちろん、手伝いに呼ばれているときなどは、早く行くほうが無難なのは当然である。
土足厳禁? テレビドラマや映画を見ていると、部屋の中でも靴を履いている人が多い(というか脱ぐシーンを見かけることは滅多にない)。
だが実際に、カナダでは、室内では靴を脱いでいる人のほうが多いようである。
かといって、日本のようにスリッパに履き替えるというわけでもなく、三和土のように厳然と区切られた場所もないので、靴を履いてしまってから忘れ物に気づいたときなどは、そのまま室内に入ることもよくある。
なので、誰かの家や部屋に招かれたときは、靴を脱がなくてはいけないかどうかを確認した方がよい。
パーティなど大勢が集まるときには、靴を脱がなくてもいいように招待する側が気を配ってくれることもある(おしゃれな女性服の場合は特に、高めのヒールがないと服装が乱れることもあるので)が、基本的には脱ぐ姿勢を見せたほうが無難。
ホテルなどではきちんとした決まりはないが、脱がない人もいる(=床は素足で歩いてもいいほど綺麗ではないかもしれない)ということを念頭におき、スリッパなどがあったほうがいいだろう。



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